混合ワクチン

イメージ

ホーム > 混合ワクチン

ワクチンとは

病気にかかる前に抵抗力をつけて、病気にかかりにくくするためのものです。
感染力が強く命を落とすこともある複数の『伝染病』に対して、『混合ワクチン』を接種すると感染しても軽症ですみ、命を落とす危険性を減らすことができます。これらの『伝染病』には特効薬が残念ながらないため、予防が重要です。
『混合ワクチン』により予防できる病気を以下でご説明します。

ワクチン接種の注意点

  • ワクチン接種後、まれにアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすことがあります。
    毎年同じワクチンを接種していても突然起こることがあります。
  • ワクチン接種後、『顔が腫れる、呼吸が早くなる、ぐったりする、体がかゆい』などのアレルギー反応が出ましたら、すぐに病院にご連絡もしくはご来院ください。
  • 接種した当日は、激しい運動は避け安静にしていただき、数日間はシャンプーなども控えてください。
  • ワクチン接種は、動物の体調が良く、接種後に観察が可能で、万一アレルギー反応が出てもすぐに対処できる、午前中に来院し、接種することをお勧めします。

ワンちゃんの混合ワクチン

当院では、6種、8種の2種のワクチンをご用意しており、犬の状態や生活環境などに合わせて飼い主様とご相談の上、種類を選択しております。

犬ジステンパー
伝染力が強く、特に子犬では死亡率も高い伝染病です。
初期には、高い熱、肺炎、下痢などの呼吸器症状や消化器症状があらわれ元気・食欲がなくなり、後期には痙攣発作や神経症状を起こすことがあります。
犬伝染性肝炎
イヌアデノウイルス1型の感染により、様々な症状を呈し、伝染性がとても強い病気です。
まったく症状を示すことなく突然死亡することもあります。
犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
俗に『ケンネルコフ』と呼ばれる『犬の風邪』の原因の一つと言われています。
短く乾いた咳が主な症状で、発熱や食欲不振、のどや扁桃の腫れ、くしゃみや鼻水が出ることがあります。
犬パラインフルエンザや細菌との混合感染あるいは二次感染が起こると重症化することがあります。
犬パラインフルエンザ感染症
俗に『ケンネルコフ』と呼ばれる『犬のカゼ』の原因の一つと言われています。
水様性の鼻水や咳、軽い発熱と扁桃の腫れなどが主な症状です。
犬アデノウイルス2型や細菌との混合感染あるいは二次感染が起こりやすく、重症化することもあります。
犬パルボウイルス感染症
『腸炎型』と『心筋炎型』があり、伝染力が強く、非常に死亡率が高い病気です。
『腸炎型』の方が多く、食欲不振、発熱や嘔吐、血液のまじった激しい下痢、白血球減少が主な症状で、重症化すると脱水や衰弱が進み、短期間で死亡することが多い病気です。
『心筋炎型』は、心臓にウイルスが感染し、突然死することがあります。
犬コロナウイルス感染症(コロナウイルス性腸炎)
嘔吐、下痢などの消化器症状により、脱水を起こします。
成犬では感染しても無症状の『不顕性感染』もしくは軽症ですむ場合がほとんどですが、子犬の場合は症状が強く現れたり、犬パルボウイルスなど他のウイルスや細菌との二次感染を起こしやすくなり、重症化することがあります。
犬パルボウイルス感染症
レプトスピラは細菌の一種で、人間や多くの哺乳動物が感染する病気です。
感染したネズミや犬、家畜などの尿で汚染された環境(水や土壌など)に触れることで感染します。
急性の腎炎と感染を起こし、出血、黄疸、下痢、嘔吐などがみられ、死亡率が高い病気です。
三重県は発生が多い地域ですので注意が必要です。
以下に該当する場合は、レプトスピラが含まれた6種や11種の混合ワクチン接種を推奨します。
  • 川や水たまり、田畑、湿地、家畜を育てている場所の近くに居住あるいは散歩している。
  • 山野でのアウトドア、ドッグランなどに遊びにいく。
  • レプトスピラの濃厚汚染が危惧される地域。

猫ちゃんの混合ワクチン

当院では、3種(ノンアジュバンド)、5種(ノンアジュバンド)、猫エイズワクチンをご用意しており、猫の状態や生活習慣に合わせて飼い主様とご相談の上、種類を選択しております。

混合ワクチンに含まれているウイルスは伝染力が強く感染すると重篤な症状を呈することがあります。
これらの伝染病は室内でも感染のリスクがあるため、室内猫でも大切です。
感染する危険性と常に隣り合わせである、外で自由に過ごしている猫には特に重要です。

猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)
猫ヘルペスウイルスによっておこる病気で、俗に『猫のカゼ』と呼ばれている症状の原因のひとつです。
伝染力が強く、特に子猫の時にかかりやすく、40℃前後の発熱と激しいくしゃみ、咳、多量の鼻水や目ヤニなどが主な症状です。
猫カリシウイルス感染症などのウイルスや細菌との混合感染を引き起こすと、重症化して死亡することもあります。
猫カリシウイルス感染症(FCR)
初期は猫ウイルス性鼻気管炎と類似のカゼ症状を示しますが、進行すると口の中や舌に水泡や口内炎、潰瘍形成や、関節炎、結膜炎、肺炎なども起こします。
混合感染すると重症化することがあります。
感染力が強く、一度でも感染すると回復後もウイルスが体内に残り、他の猫への感染源となります。
猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
猫パルボウイルスによる病気で、感染力も強く特に子猫や年老いた猫では非常に死亡率の高い伝染病です。
高熱、嘔吐、下痢、食欲低下、血液中の白血球減少などを示し、激しい脱水症状を起こします。
猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
感染猫の涙、血液、乳汁、特に唾液中に多量のウイルスが含まれており、猫同士の毛づくろいやケンカによる傷、同じ食器を使うなどを通じて口や鼻から伝染します。
様々な病態を示し、白血病、琳派肉腫、貧血、腎臓病、免疫不全による他の感染症の併発などがあります。
1歳以上の成猫ではウイルスを排除できることもありますが、子猫の時に感染すると『持続感染』になることが多く、発症した猫のほとんどは3年程度で死亡します。
予防方法は、外には出さず室内飼育し、感染猫と接触させないことが第一ですが、外に出る猫には、当院では猫白血病ウイルスが含まれている6種ワクチンを推奨しています。
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズウイルス感染症:FIV)
病態が人のエイズと似ているために通称『猫エイズ』と呼ばれていますがネコ科の動物以外には感染しません。
感染猫の血液や唾液などの体液にウイルスが含まれており、猫同士のケンカなどにより感染します。
初期には発熱、リンパ節の腫れが見られ、その後、数年の無症状キャリア期を得て、発症すると口内炎、慢性の下痢など、免疫力の低下による様々な病気がみられ、衰弱し死に至ります。ただし、感染した猫のすべてがこのような経過をたどるわけではなく、症状が出ずに長生きする猫もいます。
予防方法は、外には出さず室内飼育し、感染猫と接触させないことが第一ですが、外に出る猫には、猫エイズウイルスワクチンを接種し感染のリスクを減らすことをご提案致します。